くさいはうまい

発酵学の権威、小泉武夫教授の著書「くさいはうまい」の言葉で心に突き刺さるものがあったので紹介します。

→まずこの本の表題に対して、僕が思ったこと「発酵食品の納豆はあの匂いやネバネバした感じが嫌いという方はいますが、庶民にとって、江戸時代後期までは、ほぼ納豆汁という食べ方一択だったので、少なくともネバネバはなくなるので、サラッと飲め、嫌いな人は、少なかったと思われます。味噌や醤油を嫌いな日本人は、あまりいませんしね。」

「腐っているものと発酵しているものを見分けられない人というのは、人間あるいは動物としての肝心な機能を喪失していることになるのですね。」

→これに対してアマゾンで秀でたコメントがあったので紹介します。「においは「個性」、「特徴」、「本物」、「文化」であり、そのにおいが有る食べ物を食す事によって人間は生かされて来ました。つまり、においは「生命」を表します。においには腐敗臭と醗酵臭の違い、偽物と本物の違いが有ります。醗酵食品は滋養・栄養に富み、保存が効きます。醗酵させない食物よりも、ビタミン・ミネラル・アミノ酸等が多く増え、又、分解されて分子量が小さくなる為に、血液・細胞への吸収が良くなります。更に、人間の体内酵素だけに頼らず、それらを摂取する事で、体内に負担を掛ける事無く、代謝・消化を改善する事が出来ます。日本食に多い醗酵食品、又それを支える醗酵微生物・酵素は偉大だと思います。」

→下線部のコメントに対する僕の感想「僕は中国の国策茶「茯茶」を飲んでいますが、発酵しているおかげで、アミノ酸や鉄分やミネラルの吸収がよく、体の末端までポカポカするのを感じます。僕はお隣中国の発酵文化や食事の仕方や炒める調理法には、敬意を払っています。中国人は、職場には、茶葉の入った水筒を持っていき、お湯を足しては飲んでいます。キンキンに冷たいお茶は、まず飲まないです。腸内フローラには、キンキンに冷えたものは、良くないですから。炒めものに関しては、強火でサッと炒めることで、野菜の細胞壁だけを壊して、中の栄養はほとんど壊れないので、炒めものを食べる事は、栄養の吸収面で、発酵茶を飲む事とほぼ同意義だと思います。冬場の寒さで野菜が全く採れないなどの理由で夏場に発酵茶をこしらえておくのは、生きる知恵ですが、それが栄養面でとても優れているのです。想像を絶するような極地で、生きていくのには必ずと言っていいほど、発酵食品が関係しています。」

「非常に面白い実験がございまして、日本のご夫婦、イギリスのご夫婦、アフリカのご夫婦、モンゴルのご夫婦を対象に行われたものなのですが、それぞれの奥方に同じ下着をはかせて、その後彼女が脱いだ下着を男性諸君に嗅がせて、自分の奥さんのにおいを当てられるかどうかを試したことがあるそうです。すると面白いことに、文化水準の高いイギリス人や日本人は当たらない。ところが、モンゴルやアフリカなどの方は、何度やっても当てることができたそうです。」

「特に、インドール、スカトール系、つまり人間の糞を乾燥させたようなにおいを、日本人はいいという人が多いんですね。肥桶の糞尿を田んぼに撒いて、乾燥させたにおい。(中略)
そういうふうに、それぞれの民族によって、好きなにおい、嫌いなにおいがある。(中略)
あるいは、パンを主食に食べる人たちは、麦の焦げたにおいに強烈に惹かれます。(中略)
そのために食べ物を燻製にしたり、コーヒー豆を焦がしたり、ウイスキーの原料までもスモーキーフレーバーにするために焦がしてしまう。
一方、日本人は米を炊いてきました。(中略)炊きあがった時に温泉卵のようなにおいがします。つまり、硫化水素を代表とする含硫揮発性化合物のにおいです。日本人はあのにおいに抵抗はないけれど、外国人はダメな人が多いんですよ。
(中略)子どもの時にお尻に青い痣がある私たちモンゴロイドの人たちは、どちらかというと酸っぱいものが苦手なんです。ところが、ゲルマン人は猛烈に好きです。あちらでは、早くからビネガーが発達していましたからね。つまり、好き嫌いには、その民族の食の履歴が関係しているのです。」

→下線部に対する僕の感想「日本人には、お酢嫌いの人多いですよね。だから、日本でよく売れている飲むお酢には飲みやすくする為に果糖が入っていたりしますよね。お酢といっても日本人が嫌いなのは、酢酸発酵の果実酢である場合が多いです。ツーンとした酢酸の刺激臭が日本人には、キツく感じるのです。琉球モロミ酢という、酢酸発酵していない、ツーンとキツくないお酢も最近人気になってきましたね。」

「日本を含め、東南アジアや東アジアの地域は、湿度が非常に高いので、カビ文化が発達しました。そういした地域ならではの食品が、魚醤や納豆、熟鮓、味噌、醤油などです。いずれも湿度が高いところに似合うウェットなにおいといえるでしょう。
一方、ヨーロッパなどの乾燥地域では、もっとドライなにおいが好まれます。(中略)例えば花のにおいとか果物のにおい(中略)パンの焦げるにおい、(中略)ウェットな空気の世界とドライな空気の世界では、においの嗜好も変わってしまうわけです。」

(引用はすべて、『くさいはうまい』小泉武夫著 より)

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